基本的にはバットエンド
[明るい短編集と暗い短編集があるとしたら、かなり暗めの短編集]
[ＳＦファイブ 手塚治虫 全１巻]
１９８９年発売 大都社 ジャンル ＳＦ短編集 参考価格５００円
手塚治虫作品って本当に素晴らしいですよね。
短編集って本当にお得ですよね。
色んな漫画家さんの、作品がたくさん読める訳ですからね。
という事は、手塚治虫作品の短編集があったら最高なのでは？
勿論あります。とんでもなく悲惨な目に合う主人公達が、魅力的です。
そんな今回の ＳＦファイブの感想です(*’▽’)
ＳＦファイブとはどんな漫画？
このＳＦファイブですが
１９８９年に大都社から発売された短編集でした。
この作品は
当時の「手塚治虫全集」に収録されなかったエピソードをまとめたもので
全体的には、暗めの作品が多かった作品集でした。
漫画のストーリーは
世界残酷ショーという
ビックリ人間を紹介する番組のディレクターが
まだ見ぬビックリ人間を求めてジャングルの奥地に出かけて
とんでもなく悲惨な目に合う
虎人境
成績があまりにも悪いので
教室に残らされて勉強していた少年が
もう一つの違う世界の落ちこぼれ少年と一緒に冒険していく
三つのスリル
飛行機の移動中という
絶対に逃げ出すことが出来ない状況下の中で
ひと噛みで死に至らしめることが出来る、巨大な毒蜘蛛が逃げ出してしまった。
そんな危険な状況が、乗客たちの理性を破壊していく
ジャムボ
ドラマを書く仕事をしている作家が
近所に住む科学者の友達と月に旅行しに行って、とんでもなく悲惨な目に合う
月世界の人間
戦時中のドイツ兵とアメリカ兵が、敵同士という関係なのに
ひょんなことから、国籍不明の少年に、遺跡へと無理矢理連れてこられて
とんでもない悲惨な目に合う
黄色魔境
そんな豪華５本立てプラス、おまけの一本もついた
「そんな事をしなければ、幸せに暮らせたのに…」
という展開のオンパレードが楽しい作品なのでした(＾◇＾)
ＳＦファイブの感想でもあり レビューでもあり
[悲惨な目に合うのには理由がある]
この漫画を読んでいて思うのは
「どうしてそんな事をしたのかな…」です。
さすが、手塚治虫全集には収録されていなかった作品だけありますね。
ほとんどの物語が暗めの設定なので
読んでいて精神的に来る話ばかりです。
これが仮に、他の漫画の主人公だとしたら
「なにも酷い事をしていないのに、この展開は可哀そうだよね…」と思います。
しかし、今回のＳＦファイブの主人公たちに関していえば
「あなたがこんな事をしなければ、今でも平和な世界だったよ」という自業自得です。
虎人境の主人公も
今までの、平凡なビックリ人間では数字が取れないために
「それなら、もっとショッキングな人間は居ないのか」という欲望に駆られて
どんどん人間の道を踏み外してしまった結果
とんでもなく悲惨な目にあいますし。
月世界の人間の主人公も
「何か面白い事は無いのかな」という、興味本位が招いた結果が
とんでもなく悲惨な目に合うという代償だったんですよね。
確かに、リスクの見返りが大きいからこそ
人間というのは、理性を吹っ飛ばして生きる事が出来るのでしょうが
このＳＦファイブの主人公たちは
みんなどこかしらが狂っている人の、代表選手だったのかも知れませんね。
手塚治虫のダークな成分を、ギュッと凝縮した漫画こそが
このＳＦファイブの主人公たちだったのかも知れませんね。
ＳＦファイブのまとめ
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何故読んで欲しいのか？
手塚治虫のダークに触れたくありませんか
漫画の神様が考える、最も酷い結末
こんな人間の闇をお楽しみください。
なにがそんなに面白いのか？
この漫画のセールスポイントは
沢山の手塚治虫作品の中でも、特にダークな雰囲気が凄い
中身は濃いので、たった一冊でも充分満足できる内容
最初から最後までハズレ無しの短編集
この漫画のマイナスポイントは
読んだら最後、夜中にうなされるほどのダメージ。
今急いで買う理由ってあるの？
ちょっとしたきっかけが 人生をめちゃくちゃにしていく
それこそが今急いで買う理由です！！
そんな、人間のダークなきっかけで とんでもない事件がまきおこる
ＳＦファイブの感想でした(*^▽^*)
