釣りキチ三平 竿燃やす

釣りキチ三平が最高の漫画だと思っている私が 情熱をもって大好きな漫画や書籍の紹介をしていきます。

3人の物語が交互に進みながら 謎のウイルスの正体に迫っていく  誘神 川崎草志

この小説を読んでいたら もう一歩早く動けたのかもしれない

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[3人の物語が交互に進みながら 謎のウイルスの正体に迫っていく]

[誘神(いざないがみ)  川崎草志  角川文庫]

 

2015年発売  

ジャンル ミステリー

参考価格  160円

 

 

最近は色々な本の感想を書いています

 

 

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過去の記事も読んでもらえると嬉しいです

 

 

今回感想を書きたいなと思ったのが

「誘神」というミステリー小説です

 

どんな内容になっていて

 

どんな部分が面白かったのか?を書いていきますので

 

購入する時の参考にしてみてください

 

 

そんな今回の

三人の主人公の物語が交互に進んでいく面白さに覚醒する

誘神の感想です( `―´)ノ

 

 

 

 

誘神とはどんな小説?

 

この誘神(いざないがみ)ですが

2015年にカドカワから発売された

川崎草志さんのミステリー小説でした

 

2013年に発売された

病神の続編的な作品になっていまして。

 

物語の直接的な関係はあまりないものの

病神を読むことで、

より一層楽しめるようになっていた作品だと思います

 

 

そんな誘神のあらすじは

 

東南アジアで謎のウイルスが発生したという

事件をきっかけに

 

閉鎖が決まっている製材所に勤めている

男の物語と

 

ウイルスが蔓延する前に田舎に帰ろうと決意する

女子大生の物語と

 

ツゲサンという

死んだ人に

「あなたはもう亡くなっているんですよ」と告げる仕事をしている

青年の物語が

 

交互に絡み合いながら進んでいく

 

これぞ川崎草志というミステリー小説になっていました

 

 

この小説が発売されたのは2015年なのですが

 

2020年に起こったことが

そっくりそのまま書いているといっても過言ではないですからね。

 

今の時代だからこそ読んで欲しい

 

実際に起こりえる、というか起こった

 

ウイルス系の名作ミステリー小説なのでした

 

 

 

ネタバレしたくない人はこちらからお先にどうぞ

 

 

160円

 

 

 

誘神の感想でもあり レビューでもあり

 

この本の良かったところ

 

この本の最大のセールスポイントを考えたときに

真っ先に思い浮かんだのが

「三人の主人公の物語が交互に進んでいく圧倒的な面白さ」ですよね。

 

川崎草志さんの小説の時は

毎回書いているのかもしれませんが、

交互に物語が進んでいくというのはやっぱり最高でした。

 

 

呪い唄では

現代の主人公と貧乏旗本の物語が交互に進んでいき

 

弔い花では

現代の主人公と戦後の愚連隊退治の物語が交互に進んでいき

 

前作の病神では、

4人の主人公の物語が交互に進んでいくという

川崎草志さんならではの面白さを体験できました

 

病神の場合は

翻訳家の物語が面白すぎて、

「早く翻訳家の物語を読ませろ!!」なんて感じでしたが。

 

今作の場合は、

三人の主人公の物語が上手く絡んで進んでいきますので

 

交互に物語が進んでいくという面白さで言いますと、

今作が最も素晴らしかったのかなと思います。

 

 

物語の内容としては

 

「ツゲサン」という

「あなたはもう亡くなっているのですよ」という事を死者に告げる

青年の物語がメインになって進んでいきますので。

 

リアルなミステリー小説というよりも、

スピリチュアルなミステリー小説という感じなのですが。

 

そこに、

東南アジアで発生した謎のウイルスが絡んできて

世界がどんどんおかしな方向に進んでいくという流れになりますからね。

 

2020年という今の時代に起こったことが

そっくりそのまま描かれていて、

面白いながらも、かなり怖かったです。

 

 

そんな中で特に面白かったのが、

女子大生の主人公の物語で

 

ウイルスが発生するという事は、

マスクや非常食が無くなるだろうから、早めに補充しておこう

みたいな感じで。

 

女子大生の物語を読むことで

「人の先を行くことの大切さ」みたいなものを

学べて良かったです。

 

私の場合は、

2020年になって

マスクがない、消毒液がない、など、ちゃんと焦りましたが。

 

この誘神を読んでいたとしたら、

「これって誘神に出てきたことじゃん」と対処できたでしょうからね。

 

スピリチュアルなミステリー小説であると同時に、

実際に役立つ、リアルな小説としても良かったです。

 

 

2015年の印象ならば

少し不思議なミステリー小説だが

 

2020年に読めば

今の時代を予言していた、

リアルな小説として楽しめる

 

川崎草志さんならではの

交互に物語が進んでいくという面白さが最大限に発揮されている

集大成とも呼ぶべき作品なのでした。

 

 

 

 

交互に物語が進んでいくという手法の 最大の意味を知る

 

ここからは内容に深く関わっていきますので、

本を読み終わった後に読んでもらえると嬉しいです

 

 

 

前作の病神の終盤を読んだときの感想で言いますと

「なるほどな…」という感動でした。

 

そのオチが

文庫本のあらすじの部分に丸々書いてあるという、

なかなかのトラップも凄かったのですが。

 

そのオチを予想できなかった分だけ、

余計に感動したのを覚えています。

 

そして今回のオチを読んだときの感想で言いますと

「やられた!!」です。

 

厳密には、

オチの部分ではなく後日談の部分なのですが。

 

そのオチを読むことで、

今までに感じていた違和感みたいなものがすべて解消されまして

 

そのあまりの完璧さに、

「さすが川崎草志!!」なんてうなってしまいました。

 

 

で今回の本題に入るのですが

 

この最高のオチを演出しているのが、

主人公の物語が交互に進んでいく面白さだったと思うんです。

 

物語が交互に進んでいくという面白さがあるので、

読んでいるこちらとしては、

「オチを推理する」というもう一つの面白さを放棄してしまいます。

 

前作を読んでいてもそうでした。

 

翻訳家の物語があまりにも面白すぎたために、

「この後って、どうなるだろう?」という予想を一切しませんでした。

 

それにプラスして、

あっち行ったり、こっち行ったり、

物語がぐらぐらしながら進みますからね。

 

その結果が、

「なるほどな」という感動を生み出したわけです。

 

そして、

その手法が最大限発揮されたのが、

今作の誘神だったと思うんです。

 

 

これが、

男の物語だけを読めば

もしかしたらオチを当てることができたかもしれません

 

これが

女子大生の物語だけを読めば

「ここが変だな?」と気づけたかもしれません

 

これが

青年の物語だけを読めば

「これってそういうことかな?」となったかもしれません

 

それなのに、

三人の物語を交互に読ませられると

一切の予想ができなくなる。

 

これこそが、

物語が交互に進んでいくという手法の

最大の面白さだったのではないでしょうか。

 

物語がいい所で止まって、

急に次の物語が始まるという

海外ドラマの様な展開が楽しいのも事実です。

 

「早く翻訳家の物語を読ませろ!!」です。

 

だからこそ、

この手法に隠された本質の部分に

今の今まで気づかなかったのかもしれません。

 

私はこの物語のオチは

一切予想することはできませんでした。

 

これが

「どうやって予想するんだよ」ならば納得もいきます。

 

そうではなく、

ちゃんと予想できる状態だったからこそ、

「やられた!!」とまた感動してしまうのでした。

 

 

さすが、川崎草志( `―´)ノ

 

 

 

誘神のまとめ

 

今は、

「崖っぷち町役場」という作品を読んでいますが。

 

ユーモアミステリーという

新たな川崎草志さんを体験することができますので、

 

まだ読んだことがない方は、

一緒に楽しんでいきましょう( `―´)ノ

 

 

 

こちらから購入できます

 

 

 

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